鳥取県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
白蛇(しろへび)のおたね、土転び(つちころび)、おとん狐…。あなたの知っている妖怪や伝説もあるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
鳥取県に伝わる妖怪・伝説
白蛇(しろへび)のおたね
鳥取砂丘(とっとりさきゅう)のすぐそばにある多鯰ヶ池(たねがいけ)には、白蛇(しろへび)がすむという伝説があります。
むかし、長者の家におたねという使用人(しようにん)がいました。使用人たちが集まって「お腹がすいた」と話していると、おたねがどこからともなくあまい柿を持ってきて皆にふるまうということがたびたびありました。
皆は不思議がり、あるときおたねの後を追いました。おたねは大きな池にやってくると白蛇(しろへび)に姿を変え、池の中の島までするすると泳いで柿を取りに行きました。
皆に正体が知られたことをうらんだおたねは、白蛇になって池の中に入り、二度と現れなかったと伝えられています。
土転び(つちころび)
土転び(つちころび)は、鳥取県に伝わる槌*(つち)に似たヘビの妖怪です。
山道を一人で歩いていると、まるで樽(たる)が転がるようにコロコロと転がりながら人を追いかけてくるそうです。土転びに追いかけられた人は驚いて逃げるうちに道に迷ってしまうと言われていますが、ただ転がっているだけの妖怪で旅人を守る神だという説もあります。
*槌(つち):ものを打ちつけたりつぶしたりする道具
おとん狐
おとん狐(ぎつね)は、鳥取県の東部にある立見峠(たちみとうげ)に伝わる女狐(めぎつね)の妖怪です。
むかし、立見峠にすんでいたおとん狐は、よく人を化かしていたずらをするので村人は困っていました。そこで、村の若者2人がおとん狐を退治することになり峠に行ってみると、ぶらぶらと歩いていた狐が若い女に化けました。石を赤ちゃんに変え、一軒の家に入っていきました。
若者たちが家をのぞくと、老夫婦が石の赤ちゃんを抱いて孫(まご)だと喜んでいました。家に踏み込んだ若者たちが見てきた話を聞かせても信じないので、赤ちゃんを熱い湯に入れたところ赤ちゃんは死んでしまいました。
老夫婦が怒っているところに旅のお坊さんが通りかかり、二人の若者を坊主頭(ぼうずあたま)にして弟子にすることにしました。二人はおがみながら一心に木魚(もくぎょ)を鳴らしました。
やがて夜が明けて村の人たちが立見峠にくると、丸坊主になった二人の若者が野原に座り、石をたたいて念仏をとなえていたといいます。すべて、おとん狐のいたずらだったということです。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。