
山形県にむかしから伝わるご当地妖怪を日本地図とイラストで一覧表にして紹介します。
雪女(ゆきおんな)、鶴女房(つるにょうぼう)、ドロ田坊(どろたぼう)…。あなたの知っている妖怪もいるかもしれません。妖怪といっしょに都道府県の特徴や自慢などを紹介しているので、ぜひ覚えてくださいね。
山形県の妖怪・伝説
雪女(ゆきおんな)

雪女(ゆきおんな)は、雪の降りつもる夜にあらわれる雪の精霊(せいれい)。着物は白く、肌も白く、体は氷のように冷たいのが特徴です。
伝承はさまざまですが、雪女の正体がわかると雪煙(ゆきけむり)や雪となり、姿を消すと言われています。
鶴女房(つるにょうぼう)

絵本などにある『鶴の恩返し(つるのおんがえし)』に登場する、鶴の妖怪。山形県南陽市に伝わる鶴の恩返し伝説は、江戸時代の書物に残されています。
むかし、いじめられていた鶴を助けてやった男がいました。夜、男の家に美しい女がたずねてきて、「妻にしてほしい、働かせてほしい」と何度も男に頼むので、仕方なく女を迎え入れました。その女は織物(おりもの)が上手で、織(お)った布はとても高く売れましたが、布を織っている間は「部屋をのぞいてはいけない」約束でした。
しかし、男は窓のすき間から部屋をのぞいてしまいました。そこにはやせおとろえた一羽の鶴が自分の羽毛(うもう)で布を織っていたのです。男は驚いて声を出してしまい、男に助けられた鶴だと正体がばれた女は織り上げた「おまんだら」を男に渡して消えました。
その後、男はお坊さんになったそうです。
山形県には鶴の毛織物が寺の宝にされていたと伝えられる「鶴布山珍蔵寺」があり、寺の釣鐘(つりがね)には鶴の恩返し伝説が描かれています。
佐藤七右衛門『池黒村付近の伝説私考』より
ドロ田坊(どろたぼう)

田んぼから上半身を出して「田を返せ」と、ののしる妖怪。
むかし、子どもたちのために一生懸命田を耕して米を作る翁(おきな)がいました。ところが、翁が死んでからというもの、子どもは酒を飲むばかりで田のことは一切しませんでした。さらに他人に田を売ってしまったのです。
それ以来、夜になると田から「田を返せ~田を返せ~」と泥田坊(どろたぼう)が現れるようになったと伝えられています。
※妖怪の話はこちらに掲載されている内容と異なるものもあります。
※同じ妖怪・似た話がほかの都道府県にも伝わっている場合があります。
※妖怪のイラストはイメージです。